バージョン管理

例えば，

foo.txtを編集して保存したんだけど，編集する前の版の方が良かった
編集する前の版を取得する方法はないか？
「ごみ箱」を探せば過去に削除したファイルが出てくるんだから，過去に保存したファイルだってなんとかなるでしょう？

などというのは，良くある話である．これに対して

CVSを使いなさい
ある程度編集した時点でcommitしておけば，いつでも過去の版を取得できる

というのも，良くある回答であろう．少なくともCVSの祖たるRCSが開発された経緯はこういうものであったと理解している．

さて，ここでRCSなりCVSなりを使えば問題は全て解決するのかというとそうではない．少なくとも二つの問題が考えられる．一つ目は「commitしなかった修正に関してはどうしようもない」という問題であり，二つ目は「ファイルの追加や削除をいちいちRCS/CVS/Subversionに指示しなくてはならないのは非常に苦痛」という問題である．

要するに，そこにバージョン管理ツールが存在して，それに対してユーザーが明示的に操作を行わなければバージョンが管理されないという現状に不満を感じる．ファイルの保存という操作を，自動保存という機能で，全く頭の中から追い払ってしまえている僕としては，もっと透過的にバージョン管理されていて欲しいのだ．

極端な話，ファイルの保存が行われる度に，ディレクトリのスナップショットをとって，それを任意の時点で復元できればことは足りる．RCSが開発された当時であればマシンパワーが足りなかっただろうが，現在はどうだろうか？あるいはシェルと連携して，ファイルのリネームや削除を上手く処理すれば，svn addとかsvn delとかタイプする必要は大幅に減少するだろう．*1

バージョン管理が，もっと透過的な作業になれば，現在プログラマのためだけのツールであるバージョン管理ツールはもっと幅広く利用されるはずだし，そうすればもっとみんなが楽をできるはずなのだが．

でも，「これはバージョン管理なのか？」なんて考えると，微妙な気もしてくるが．

*1:もちろん今挙げた方法では，チーム開発と大変に相性が悪いだろう．それは仕方がない．「シェルと連携すれば〜」という話は別として，CVSやsubversionが対象としているチーム開発の問題からは，分けて考える必要がある．